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オゼンピックは、週1回の皮下注射で血糖値コントロールと体重減少効果が期待できるGLP-1受容体作動薬です。
日本では2型糖尿病治療薬として承認されていますが、近年は食欲抑制作用を活かし、メディカルダイエットの一環としても注目を集めています。
作用機序には、血糖値依存的なインスリン分泌促進、グルカゴン分泌抑制、胃内容物排出遅延、そして食欲中枢への作用があり、これらが自然な食事量の減少とカロリー摂取抑制につながります。
本記事では、安全で効果的なオゼンピックの使用方法、副作用への対処法、そして専門医による管理の重要性について詳しく解説します。

オゼンピックとは?その作用メカニズムと期待される効果

オゼンピックは、現代の糖尿病治療とメディカルダイエットにおいて注目を集めている医薬品です。
その効果の背景には、科学的に裏付けられた作用メカニズムがあり、適切な使い方を理解することで安全かつ効果的な治療が可能になります。

オゼンピックの基本的な特徴と役割

オゼンピックは、有効成分セマグルチドを含有するGLP-1受容体作動薬に分類される医薬品です。
日本では「2型糖尿病」の治療薬として正式に承認されており、週に1回の皮下注射で効果が持続するよう設計されています。
その主な役割は、血糖値に応じてインスリン分泌を促し、血糖コントロールを改善することです。
近年、その作用機序の一部が食欲抑制や体重減少につながることから、自由診療の領域でメディカルダイエット(適応外使用)にも用いられています。
セマグルチドは、2017年に米国FDAで初めて承認され、日本では2020年に2型糖尿病治療薬として厚生労働省の承認を受けました。
同じ有効成分セマグルチドを含む肥満症治療薬「ウゴービ」が別途承認されていることからも、その効果の多様性が理解できます。

血糖値と体重に影響を与えるオゼンピックの作用機序

オゼンピックの有効成分セマグルチドは、体内で自然に分泌されるホルモン「GLP-1」の働きを模倣します。
これにより、複数の作用が引き起こされます。
血糖値依存的なインスリン分泌促進では、血糖値が高い時にのみ膵臓からのインスリン分泌を促すため、単独使用では低血糖のリスクが低いとされています。
グルカゴン分泌抑制により、血糖値を上げるホルモンであるグルカゴンの分泌を抑制します。
胃内容物排出遅延では、胃から腸への食物の移動を遅らせることで、食後の満腹感が長く持続します。
中枢神経への作用として、脳の視床下部にある食欲中枢に働きかけ、空腹感を減らし、満腹感を高めます。
メディカルダイエットにおいて体重減少効果をもたらすのは、主に後者の2つ(胃内容物排出遅延と中枢神経への作用)です。
これにより、自然と食事量が減少し、カロリー摂取が抑制されることが期待されます。

オゼンピックに期待できる具体的な効果

オゼンピックをメディカルダイエット目的で使用する場合に期待される主な効果は、食欲抑制とそれに伴う体重減少です。
具体的には、「あまりお腹が空かない」「少し食べただけですぐに満腹になる」といった感覚の変化が報告されています。
これにより、食事制限に伴うストレスが軽減され、ダイエットの継続が容易になります。
効果の発現には個人差がありますが、一般的に使用開始から2〜3ヶ月で体重減少の効果を実感しやすくなるとされています。
食欲抑制などの効果は、投与開始後比較的早い段階(数日〜1週間)で感じ始める方もいます。
ただし、これはあくまで薬の補助的な効果であり、持続的な体重管理には食事療法や運動療法といった生活習慣の改善が不可欠です。
メディカルダイエット(痩身)目的での使用は、日本では承認されていない「適応外使用」であることを明確に理解しておく必要があります。
適応外使用の場合、副作用が発生した際の公的な救済制度(医薬品副作用被害救済制度)の対象外となる可能性がある点も重要です。

オゼンピックの正しい使い方:注射方法を徹底解説

オゼンピックの安全で効果的な使用には、正しい注射手技の習得が不可欠です。
ここでは、準備から廃棄まで、すべての手順を詳しく解説します。
手指の洗浄の重要性、薬液の状態確認(無色透明か、異物はないか)、注射針が毎回新しいものであることの確認が基本的な準備事項となります。

使用前の準備と確認事項

安全な自己注射は、正しい準備から始まります。
まず、石鹸と流水で手指をきれいに洗います。
物品の準備では、オゼンピックペン本体、新しい専用の注射針、アルコール綿の3点を用意します。
注射前に、ペン本体、新しい注射針、アルコール綿の3点を揃えておくことで、スムーズな手順を保証できます。
薬液の確認として、ペンの窓から中の薬液を確認し、無色透明で、浮遊物などがないことを確かめます。
薬液が濁っていたり、変色している場合は使用できません。
薬液に濁りや変色、ひび割れがある場合は絶対に使用しないでください。
ペンの確認では、ペン本体にひび割れなどの損傷がないか確認します。
これらの確認事項は、安全性を確保するために欠かせない手順です。
1本のペンを他者と共有することは絶対に避けてください。
感染症のリスクがあるためです。

注射針の取り付けと動作確認(空打ち)

新しい注射針の保護シールを剥がし、針の取り付けを行います。
ペン先のゴム栓をアルコール綿で消毒します。
注射針をゴム栓にまっすぐに当て、止まるまで時計回りにねじ込んでしっかりと取り付けます。
キャップの取り外しでは、外側の針キャップと内側の針キャップを両方ともまっすぐ引き抜いて外します。
外側のキャップは後で針を外す際に使用するため、捨てずに置いておきます。
動作確認(空打ち)は、新しい2mgペンを初めて使用する時だけ必要で、2回目以降の注射では不要です。
投与ダイヤルを回し、流量確認の目盛(点線のマーク)に合わせます。
針先を上に向け、ペンを指で軽く弾いて気泡を上部に集めます。
注入ボタンを押し込み、針先から薬液が1滴出ることを確認します。
薬液が出ない場合は、再度この操作を繰り返し(最大6回まで)、それでも出ない場合は新しいペンに交換してください。
注射針は毎回必ず新しいものを使用してください。
再利用は感染や針の詰まり、正しい量が投与されない原因となります。

正しい投与量の設定方法

医師から指示された投与量にダイヤルを合わせます。
投与ダイヤルを回すと「カチッ」という音とともに目盛りが進みます。
ペンの横にある「ポインター」に、指示された量(例:0.25、0.5、1.0)の数字が正確に合うように設定します。
もし回しすぎた場合は、逆方向に回して修正することが可能です。
正確な投与量の設定は、治療効果と安全性の両面で重要です。

安全な注射部位の選び方と消毒

注射部位は、皮下脂肪の多いお腹(腹壁)、太もも(大腿部)、二の腕(上腕部)の外側が適しています。
部位のローテーションは極めて重要で、毎回同じ場所に注射すると、皮膚が硬くなったり(硬結)、薬の吸収が悪くなったりすることがあります。
これを防ぐため、毎回注射する場所を前回注射した場所から少なくとも2〜3cm(指2本分以上)ずらしてください。
例えば、お腹に打つ場合でも、おへその周りを時計回りにずらしていくなどの工夫が推奨されます。
消毒では、注射する部位をアルコール綿で消毒し、乾燥させます。

オゼンピックの実際の注射手順

消毒した部位の皮膚をつまむか、つままずに、皮膚面に対してまっすぐ(90度)に針を根元まで刺します。
薬液の注入では、注入ボタンを「カチッ」と音がするまで、真上からしっかりと押し込みます。
投与ダイヤルの表示が「0」に戻るのを確認します。
6秒間の維持は非常に重要で、注入ボタンを押したまま、針を刺した状態で、ゆっくりと6秒以上数えます。
これは、薬液が完全に注入され、薬の漏れを防ぐために必要な手順です。
針を抜く際は、注入ボタンを押したままの状態で、針をまっすぐ皮膚から抜きます。
針を抜いてから、注入ボタンから指を離します。

使用済み注射針の安全な取り外しと廃棄方法

捨てずに取っておいた外側の針キャップを、注射針にまっすぐかぶせます。
針に直接触れないように注意してください。
キャップごと反時計回りに回してペンから針を取り外します。
適切な処分では、使用済みの注射針は医療廃棄物として扱います。
家庭ごみとして捨てることはできません。
ペットボトルなどの硬い容器に保管し、必ず処方された医療機関に持参して廃棄を依頼してください。
これは感染症予防と環境保護の観点から重要な手順です。
蓋の閉まる硬い容器(専用の廃棄ボックスや、空のペットボトルなど)に入れて保管し、薬を処方されたクリニックや薬局に持参して適切に処分してもらいます。

オゼンピックの投与スケジュールとタイミング

オゼンピックの効果を最大限に引き出すには、適切な投与スケジュールの維持が重要です。
曜日固定の重要性と投与曜日の変更ルール(48時間以上空ける)が基本原則となります。

週1回投与の原則と最適な曜日・時間帯

オゼンピックは、週に1回、毎週同じ曜日に投与するのが原則です。
これにより、血中濃度が安定し、薬の効果を最大限に引き出すことができます。
投与する時間帯(朝、昼、夜)や食事のタイミング(食前、食後)は問われません。
ご自身のライフスタイルに合わせて、最も忘れにくく、続けやすい曜日と時間帯を決めることが重要です。
例えば、「毎週日曜の朝」など、特定の習慣とセットにすると忘れにくくなります。
毎週の特定の行動(例:「日曜の朝食後」「水曜の入浴前」)と結びつけることで、打ち忘れを防ぎやすくなります。
スマートフォンのリマインダー機能の活用も推奨されます。
投与曜日を変更したい場合は、前回の投与から少なくとも2日間(48時間)以上間隔が空いていれば可能です。
投与間隔が5日未満になると副作用のリスクが高まり、8日以上空くと効果が減弱する可能性があるため、週1回(7日間隔)が原則となります。

食事との関連性(食前・食後)

オゼンピックは、食事に関係なくいつでも投与できます。
食前でも食後でも、空腹時でも効果に影響はありません。
この利便性の高さも、オゼンピックの大きな特徴の一つです。
患者さんは食事のタイミングを気にすることなく、最も都合の良い時間に投与できます。

オゼンピックの打ち忘れ時の対応

打ち忘れた場合は、「48時間ルール」に従って対応します。
これは患者さまからの質問が非常に多い重要なポイントです。
次の投与予定日まで2日(48時間)以上ある場合では、気づいた時点ですぐに1回分を投与してください。
その後は、元々決めていた曜日に次の投与を行ってください。
例えば、毎週月曜日に投与している人が、水曜日の朝に打ち忘れに気づいた場合、すぐに水曜日に投与し、次は予定通り翌週の月曜日に投与します。
次の投与予定日まで2日(48時間)未満の場合では、忘れた分は投与せず(スキップして)、次の投与予定日に1回分を投与してください。
例えば、毎週月曜日に投与している人が、日曜日の夜に打ち忘れに気づいた場合、忘れた分は投与せず、予定通り月曜日に1回分を投与します。
絶対的な注意点として、いかなる場合でも、忘れた分を取り戻すために2回分の量を一度に投与することは絶対にしないでください。
打ち忘れ時に、2回分を一度に投与することは絶対に避けてください。
低血糖などのリスクを高めるため危険です。

オゼンピックの適切な保管方法

オゼンピックの品質と効果を維持するには、適切な保管方法の遵守が不可欠です。
未使用品と使用中での保管温度の違い、使用開始後の有効期限(8週間/56日)について理解することが重要です。

未使用時の冷蔵保管と開封後の室温保管

オゼンピックの保管方法は、未使用か使用中かによって異なります。
未使用のペンは、冷蔵庫(2℃~8℃)で保管します。
光を避けるため、箱に入れたまま保管することが推奨されます。
使用中のペンは、室温(30℃以下)または冷蔵庫(2℃~8℃)のどちらでも保管可能です。
使用開始後は8週間(56日)以内に使い切る必要があります。
室温で保管できるため、日常生活や短期の旅行での持ち運びが容易です。
いずれの場合も、保管する際は必ず注射針を取り外し、ペンのキャップをしてください。
針をつけたままにすると、薬液が漏れたり、空気が混入したり、針が詰まる原因となります。
旅行などで持ち運ぶ際は、保冷バッグなどを使用し、高温や凍結を避ける工夫をします。
冷蔵庫で保管する際は、冷気の吹き出し口の近くを避け、ドアポケットなど温度変化が比較的緩やかな場所に置きます。

凍結・高温多湿を避ける注意点

品質を保つために、以下の点に厳重に注意してください。
まず、凍結厳禁となっているため、絶対に凍らせないでください。
冷蔵庫の冷凍室や、冷気の直接当たる場所には置かないでください。
一度凍結してしまったオゼンピックは、たとえ解凍しても成分が変性している可能性があるため、使用せずに廃棄してください。
一度でも凍結したオゼンピックは絶対に使用しないことが重要です。
解凍しても成分が変質している可能性があり、効果が得られない、あるいは予期せぬ作用が起こる危険があります。
高温を避けるでは、直射日光の当たる場所や、夏場の車内など、30℃を超える高温になる場所に放置しないでください。
その他の注意点として、子供の手の届かない場所、ほこりや湿気の多い場所を避けて清潔に保管してください。

オゼンピック2mg製剤の複数回使用について

現在主流となっているオゼンピック2mg製剤は、1本で複数回使用できる特徴があります。
旧製剤(SD)との違い(使い切り vs 複数回)と1本あたりの総薬液量(2mg)について理解することが重要です。

2mg製剤の特性と各投与量での使用回数

現在主流となっている「オゼンピック皮下注2mg」は、1本で複数回使用できる製剤です。
旧来の使い切りタイプ(SD製剤)とはこの点が大きく異なります。
1本のペンには合計で2mgのセマグルチドが含まれています。
したがって、1週間の投与量によって使用できる回数が変わります。
0.25mgで投与する場合は8回(8週間分)使用できます。
0.5mgで投与する場合は4回(4週間分)使用できます。
1.0mgで投与する場合は2回(2週間分)使用できます。
例えば、維持用量の0.5mgを投与する場合、1本のペンで4週間(約1ヶ月)使用できる計算になります。
0.25mgで開始し、4週間後に0.5mgに増量する場合、最初の1本で0.25mgを4回、0.5mgを2回(合計6回)使用できるといった具体的な使用シナリオも考えられます。

複数回使用における注意点と残量確認

複数回使用する上で最も重要な注意点は以下の2つです。
毎回、新しい注射針を使用することが必要です。
空打ちは、そのペンの一番最初の使用時にのみ行うことが重要です。
また、オゼンピックのペンには残量を確認する目盛りや表示機能がありません。
そのため、ユーザー自身が何回注射したかを正確に把握しておく必要があります。
ペン本体には残量表示機能がないため、ユーザー自身が投与回数を記録・管理する必要があります。
投与回数を間違えると、意図せず薬が切れて治療が中断したり、最後の投与で十分な量が得られない可能性があります。
ベストプラクティスとして、ペンの箱や手帳、スマートフォンのカレンダーなどに注射した日付と回数を記録しておきましょう。
例えば、「1/8回目」「2/8回目」のように、総回数に対する現在の回数をメモしておくと、次のペンを準備するタイミングが分かりやすくなります。

オゼンピック使用上の注意点と副作用

オゼンピックの安全な使用には、副作用の理解と適切な対処法の知識が不可欠です。
副作用の多くは投与初期や増量時に現れやすく、症状の多くは体が慣れるにつれて軽快する傾向があります。

頻度の高い胃腸障害(吐き気、下痢、便秘など)

オゼンピックの最も一般的な副作用は、吐き気、下痢、便秘、嘔吐、胃のむかつきといった胃腸障害です。
これらの症状は、特に治療の開始初期(最初の3〜4ヶ月)や、投与量を増やしたタイミングで現れやすいとされています。
これは、オゼンピックが胃の動きを緩やかにする作用を持つために起こります。
多くの場合、症状は軽度から中等度であり、治療を続けるうちに体が薬に慣れ、徐々に軽減・消失していくことがほとんどです。
主な副作用の発現率では、吐き気が約20%、下痢が約12%、食欲減退が約9%、嘔吐が約6%となっています。
対処法として、一度に食べる量を減らし、食事の回数を増やします。
脂っこい食事や、消化に時間のかかる食べ物を避けます。
症状が続く場合は、医師に相談し、整腸剤などの対症療法薬を処方してもらいます。
副作用が辛い場合でも、それが一過性のものか、重篤な副作用の兆候なのかを自己判断するのは危険です。

低血糖のリスクとその対処法

オゼンピックは血糖値が高い時にのみ作用するため、単独使用での低血糖のリスクは低いとされています。
しかし、以下のような場合には低血糖(血糖値が70mg/dL未満)を起こす可能性が高まります。

  • インスリン製剤やSU薬など、他の糖尿病治療薬と併用している
  • 過度な食事制限や激しい運動をしている
  • アルコールを多量に摂取した

低血糖の初期症状として、強い空腹感、冷や汗、手足の震え、動悸、めまいなどがあります。
対処法では、これらの症状を感じたら、速やかにブドウ糖(10g程度)や、ブドウ糖を含むジュースなどを摂取してください。
α-グルコシダーゼ阻害薬を併用している場合は、必ずブドウ糖を摂取する必要があります。

重大な副作用(急性膵炎など)の兆候と対応

頻度は稀ですが、命に関わる可能性のある重大な副作用も報告されています。
以下の症状が現れた場合は、直ちにオゼンピックの使用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。
急性膵炎(頻度0.1%)では、嘔吐を伴う、持続的な激しい腹痛、背中の痛みが兆候です。
通常の胃のむかつきとは明らかに異なる、耐え難い痛みが特徴で、救急受診が必要です。
胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸では、右上腹部の痛み、発熱、皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)などが兆候です。
腸閉塞(イレウス)では、激しい腹痛、嘔吐、腹部の張り、便やガスが出ないなどが兆候です。
これらのリスクがあるため、過去に膵炎や胆石症を患ったことがある方は、使用前に必ず医師に伝える必要があります。

併用が禁止される薬・併用に注意する薬について

併用に注意する薬として、糖尿病用薬(特にインスリン製剤、スルホニルウレア(SU)薬など)があります。
低血糖のリスクを著しく高めるため、併用する場合は厳重な血糖管理と、場合によってはこれらの薬剤の減量が必要になります。
ビグアナイド系薬剤、チアゾリジン系薬剤などでは、併用により胃腸障害が増強される可能性があります。
併用が禁止される薬について、明確な薬は定められていませんが、同じGLP-1受容体作動薬(リベルサス、トルリシティ、ビクトーザなど)との併用は、作用が重複し副作用のリスクを高めるため、通常行われません。
治療を開始する際は、現在使用しているすべての医薬品、サプリメントを医師に報告することが極めて重要です。

投与できない方・慎重な投与が必要な方

安全上の理由から、以下に該当する方はオゼンピックを使用できません。

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方
  • 甲状腺髄様癌の既往のある方、または家族歴のある方(多発性内分泌腫瘍症2型など)
  • 1型糖尿病、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡の方
  • 重症感染症、手術前後など緊急の場合
  • 妊娠中、授乳中、または2ヶ月以内に妊娠を予定している

また、慎重な投与が必要な方として、以下の特徴があります。

  • 膵炎の既往歴のある方
  • 重度の胃腸障害(胃不全麻痺など)のある方
  • 胆石症、胆嚢炎などの既往歴のある方
  • 重度の腎機能障害、肝機能障害のある方
  • 低血糖を起こすおそれのある状態の方(脳下垂体機能不全、副腎機能不全など)

オゼンピック治療になぜ専門家の指導が必要なのか

オゼンピックは強力な医薬品であり、その安全で効果的な使用には専門家の継続的な指導が不可欠です。
副作用のモニタリングと適切な対処、治療効果の客観的な評価、生活習慣改善(食事・運動)の併行指導が専門家による管理の重要な要素となります。

個々の体質・健康状態に応じた適切な用量調整

オゼンピックの投与量は、定められた標準的な増量スケジュール(0.25mgで4週間→0.5mgで4週間以上→効果不十分なら1.0mgへ増量)がありますが、これはあくまで基本です。
実際には、患者一人ひとりの効果の現れ方や副作用の程度(忍容性)に応じて、医師が投与量を個別に調整します。
例えば、副作用が強く出る場合は増量ペースを緩めたり、維持用量を低めに設定したりします。
逆に、効果が不十分な場合は増量を検討します。
このような個別化された用量調整は、治療効果を最大化し、副作用を最小限に抑えるために不可欠であり、専門家である医師の判断がなければ安全に行うことはできません。
自己判断で用量を増やしたり、中止したりしないことが重要で、必ず処方した医師に相談する必要があります。

正しい注射手技の習得と副作用・リスク管理

自己注射は、正しい手技を習得することが安全の第一歩です。
初めて使用する際は、必ず医師や看護師、薬剤師から直接指導を受け、手技を習得する必要があります。
さらに、治療中は専門家による継続的なモニタリングが重要です。
副作用の管理では、吐き気などの一般的な副作用と、急性膵炎などの重篤な副作用の兆候を的確に見極め、適切に対処するには専門的な知識が必要です。
リスクの評価では、治療開始前および治療中に、血液検査などを用いて健康状態をチェックし、リスクを評価します。
精神的なサポートでは、副作用への不安や、効果が出ないことへの焦りなど、治療に伴う精神的な負担について相談できる専門家がいることは、治療を継続する上で大きな支えとなります。
内科専門医によれば、「ただ処方するだけでなく、万一の副作用出現時も内科専門医師によるプロとしてのケアが可能であることが重要」とされています。

安全で効果的なオゼンピック治療のために

オゼンピックは、正しく使用すれば2型糖尿病や肥満(適応外)に対して有効な選択肢となり得ます。
しかし、その効果は多くのリスクと隣り合わせです。
安全で効果的な治療は、専門家である医師の診断、指導、そして管理下でのみ実現可能です。
日本医師会や日本肥満学会などの専門機関は、GLP-1受容体作動薬の美容・痩身目的での安易な使用に警鐘を鳴らしています。
これは、専門家の介在なしに使用することで、重篤な健康被害を招くリスクが非常に高いためです。
特に、インターネット経由での個人輸入は、偽造薬や品質が劣化している製品を入手する危険性があり、絶対に避けるべきです。
個人輸入による自己判断での使用は極めて危険で、偽造薬のリスク、品質管理の問題(不適切な温度での輸送など)、副作用発生時に適切な対応ができないなど、多くのリスクを伴います。
日本医師会はGLP-1受容体作動薬の適応外使用に対し、「安易な痩身目的での使用は不適切」との見解を示し、適正使用を呼びかけています。
日本肥満学会も肥満症治療薬としてのGLP-1受容体作動薬について、「安全・適正使用に関するステートメント」を公表し、専門医の指導下での使用を強く推奨しています。
効果を最大化し、リスクを最小化するためには、信頼できる医療機関を受診し、医師の指導のもとで治療を進めることが唯一の正しい道です。
専門家の指導なしでは、効果が出ないばかりか、重篤な健康被害につながる可能性があります。
日本肥満学会と日本糖尿病学会の肥満症診療ガイドラインにおいて、薬物療法は食事・運動療法が基本であり、その上で適切な患者に適応を判断すべきと明記されています。

まとめ

オゼンピックは、セマグルチドを有効成分とするGLP-1受容体作動薬で、2型糖尿病治療に加え、適応外使用としてメディカルダイエットでも利用されています。
その作用は血糖値に応じたインスリン分泌促進や食欲抑制で、週1回の皮下注射により安定した効果が得られます。
特に胃内容物排出遅延や脳の食欲中枢への働きかけにより、少量の食事でも満腹感が持続し、自然にカロリー摂取が抑えられる点が特徴です。
使用にあたっては、正しい注射手技や保管方法、投与スケジュールの遵守が重要です。例えば、毎週同じ曜日・時間帯に投与し、打ち忘れ時には48時間ルールを守ることで効果を最大限に発揮できます。
また、副作用としては吐き気や下痢などの胃腸症状が多く見られますが、多くは時間とともに軽減します。
低血糖や急性膵炎など重大な副作用の兆候があれば、直ちに医療機関を受診する必要があります。
自己判断での用量変更や個人輸入は、健康被害や偽造薬のリスクが高いため厳禁です。
専門医の診断と継続的なモニタリングのもとでのみ、安全かつ効果的な治療が可能です。
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